中定商店さんの手作り豆味噌教室はとっても楽しかったです!
豆味噌文化圏の方々!是非体験してみたくださいね(^O^)/
http://blog.kodemari8.net/archives/20160228-1.html中定商店さんの手作り味噌教室が終わった後、6代目の中川安憲さんから直々に、昔ながらの製法で作られる「豆味噌」と「たまり」の作り方について教えていただき、蔵の中も見学させていただけたんですよ!(^^)!
早朝から、教室の準備などでお疲れのところ、本当にありがとうございました!御厚意に心から感謝いたします<(_ _)>
中定商店さんは、愛知県知多半島の武豊町にある、明治12年の創業以来、伝統製法の豆味噌やたまり醤油を造り続けていらっしゃいます。
教室があった蔵から少し奥に、実際に使われた蔵を改装して展示施設として公開している「伝承館」があります。味噌やたまりを醸造するときに使う用具や様々な資料を展示してありますよ。
見学するときは事前に予約をお願いします<(_ _)>
写真撮影も許可をいただいてからお願いします<(_ _)>
初めに、伝承館に飾られた仕込み風景の絵を見ながら豆味噌とたまりの作り方を教えていただきました。
「豆味噌とたまり醤油が出来るまで」○大豆を洗って水と一緒に圧力釜に入れます。圧力釜には1400kgの大豆が入ります。
○約3〜5時間時間位大豆に水を吸わせます。水を吸わせる量や時間は大豆の品種によって違ってきます。
○水を吸わせたら、中の水を抜いて蓋をして軽く圧力をかけて蒸気で3時間ほど蒸します。蒸して美味しさを閉じこめる、美味しさを残す。蒸すのが良いのはほとんど旨味が逃げていかないからで、煮るとどうしても水の方に旨味が抜けてしまいます。豆味噌の場合は蒸すということが大切になります。
○蒸した後に味噌玉を作ります。味噌玉というのは俵型にまとめたものです。
○俵型の味噌玉のまわりに麹菌をつけて麹室という部屋に入れます。
麹室の中で麹菌を繁殖させて豆麹を作ります。麹室は温度が30度位、湿度70度位の高温多湿です。麹菌はカビの一種なので高温多湿の状態で良く繁殖します。味噌玉のまわりの麹菌を良く成長させ、最終的には豆麹というものになる。この場合は味噌玉にしているので味噌玉麹ともいいます。
この味噌玉麹を作るのは結構難しいのです。空気中には納豆菌が沢山います。なので、温度管理を間違えると納豆菌は強いので納豆になってしまう。麹の温度は、30度前半位にもっていかないと上手く成長させることが出来ませんが、麹菌はそのままにしておくだけで、どんどん成長して麹自体が熱を出します。1400kgの大豆があると物凄く熱くなります。一気にガンと熱が上がってきて40度を超える。それが長い時間続くと麹菌が死んでしまい、空気中の納豆菌が入って来て納豆になってしまいます。ここでの温度管理が豆味噌を作る中では一番難しいということです。
麹室の温度管理は窓と天井にも空気を抜くところがあるのでそこから空気を逃がしたり、下にあるファンから風を送ってあげたりして、常に温度を30度前後に保つようにします。そして、菌と菌が絡み合ってくっ付いてしまうので、途中2回ほど人が入ってほぐしてあげたり、熱を発散させたりということをしています。手入れをしながら約44〜45時間ほど麹室の中に置いて置くと、味噌玉のまわりにしっかりと麹菌が繁殖して味噌玉麹の完成となります。
○味噌玉麹を木桶のある部屋にもっていきます。その間に塩水も作っておきます。
「たまりと味噌の仕込みの違い」○味噌玉麹を入れて塩水と混ぜ合わせます。
たまりと豆味噌の仕込み方は少し違います。
「味噌の場合」は空気中に納豆菌や雑菌がいますから、納豆菌や雑菌が入らないようにしなくてはいけないです。特に味噌玉麹は、とてもゴロゴロしていて中に空気が残っていますので、空気が残らないようにします。大量にあるので、手では無理なので足で踏んでしっかりと空気を抜きます。最後に石を積み上げます。石を載せる理由というのは、たまりを上げて、上の方の味噌が塩水につくようにするためです。何故かというと、上の方が夏場の暑い時期に腐ってしまうので、石を載せてたまりをしっかり上に上げて味噌が腐らないようにしています。豆味噌はそのまま木桶の中で3年じっくりと熟成されて完成されます。
「たまりの場合」は味噌のように踏み込まずに、逆に隙間を開けたままにしておいても、汁が循環するので腐りません。載せる石もたまりは1段。木桶には底まで筒が入っていて、底に溜まったたまりが筒を通って上がってきます。上に溜まったたまりを柄杓で汲んで掛ける。汲んで掛けると下の方のたまりが減ってきます。上にかけたたまりが、下のたまりが少なくなると沈んでいくのです。筒を通して液体を上下循環させる。汲み掛け作業。そうすることによって中を均一にして、より熟成を進めるということをします。そして、3年もの時間をかけて熟成され完成したら、たまりは筒と外の飲み口が一番底で繋がっているので、そこから文字通りの「溜」が出てきます。自然の溜。最高級の溜。「底引きたまり」とか「生引(きびき)たまり」と言います。残った味噌は掘り出して風呂敷に入れてたまりを絞り出します。これが結構出ます。実際には、自然に出るのは2割位で残り8割は絞っています。
「たまり」というのは、元々豆味噌から出てきた汁が底に溜まることから「溜(たまり)」と言われ、濃口醤油とは材料と仕込み方が違います。濃口醤油は大豆だけでなく半分は小麦です。大豆と小麦が半々位で作られていて、その小麦は何になるかというと、最後に醗酵すると香りになります。なので、濃口醤油はとても香りが強く、良い香りがします。豆味噌やたまりは大豆だけで出来ていて香りがあまりしません。それが濃口醤油との大きな違いです。仕込み方は、濃口醤油は大量の塩水を入れるので、麹自体を溶かして「もろみ」というドロドロの液体にします。たまりはあくまでも味噌を仕込んで、その味噌から出てきた汁が「溜」です。なので、あまり出来ません。実際に本来の言う意味での「たまり」というのは僅かしか出来ないのです。
伝承館でのお話のあとは、蔵の中を見学させていただきました。
蔵は何処か懐かしさを感じさせる木造と土壁の日本家屋。中は迷路のようになっていました。最初に案内された部屋には大きな圧力釜がありました。ここで1400kgの大豆が蒸される。
そして、その先には麹室。この部屋で一番大変な作業である味噌玉麹が作られているんですね。味噌とたまりを仕込むための味噌玉麹を作る作業は一体何回繰り返されるのだろう。聞きそびれてしまった。
さらに奥に進むと長い歴史を感じさせる大きな杉の木桶が並んでいます。
中にはたまりが仕込まれていて、木桶の中のたまりを汲みかけする様子を上からのぞかせていただけ感動です!(^^)!
蔵と蔵の間の中庭の空間には重石に使う石が山のように積まれていました。味噌、たまり作りは重いものばかりでかなりの重労働だ!
蔵のつくりは密閉性がなく、隙間風が入ってくるようになっているので蔵の気温は外の気温とほぼ同じくらいで、冬である今の時期はとても寒いです。そして、ゆっくりゆっくり夏に向けてどんどん温度が上がってきます。麹菌は生き物なので、そういったゆっくりした温度変化の中で仕事をさせるととても良い仕事をしてくれます。木桶には良い仕事をしてくれる沢山の種類の菌が沢山いるんです。自然な温度変化と沢山の良質な菌達によって醸される。それが、天然醸造です。もちろん職人の技も欠かせません。そして、3回の夏を越す。3年もの時間をかけた長期熟成だからこそ、非常にコクのある美味しい味噌が作られます。なんて、贅沢なんでしょ!
それから木桶は杉の大木の中心部分でないと駄目なのだそうです。外側の部分だと目が粗く染み出てきてしまう。本当に古くなって、徐々に細胞が死んで繊維が傷んでくると、徐々に染み出てくる。そうなったら寿命ですが、100年くらいは大丈夫だそうです。
中定商店の木桶は100年以上のものがほとんどなので、この先どのくらいもつか・・・と中川さん。大きな木桶を作れる職人さんはもう一人しかいらっしゃらないし、何かの番組でもう仕事辞めると言っていたのを見たので、わ〜、どうなるんだろう、木桶作ってもらわないと大変じゃないですか!って心配になってしまいました。そして、100年以上使い続けているからこその良質な菌が棲みついている中川商店さんの木桶。その木桶で自然に熟成させる天然醸造だからこそ、蔵独自の風味を持つ味噌やたまりが醸されている。新しい木桶も必要だが、今までの味噌と同じ深い味になるまでには時間がかかってしまうのかな?代々受け継いだ大切な味を守り続けたいから、本当にもう駄目だってなるまでは使い続けたいよな〜って色々考えちゃいました。
昔ながらの製法を受け継ぎ、今もその製法を大切に守り続けている中定商店さん。もっともっと多くの人に、この魅力を知ってほしいと思いました!
中定商店さんの商品は、直売店「本蔵」で購入することが出来ます。
通信販売もされていますよ。
http://www.ho-zan.jp/豆味噌作りを検索して、中定商店さんにたどり着いたのですが、私は南知多に行ったときに立ち寄る自然食品屋さんで大好きな「おかずみそ」を買っていたんです。でも、その自然食品屋さんは閉店してしまいました・・・
なんと、そのおかずみそは中定商店さんの商品でした\(◎o◎)/!
瓶を大切にとっておいたので間違いなし!とっても嬉しい偶然の出会いでした(^O^)/
中定商店さんの商品はどれも本当に味わい深くて美味しいです!
是非この味を味わってみたくださいね(^O^)/
中定商店の皆さま、本当にありがとうございました<(_ _)>